公認心理師試験の解答と解説 公認心理師 臨床心理士 精神科作業療法士など 精神科で働く人に役立つ情報を発信します

公認心理師と作業療法士の2足のわらじで働いています。私が体験した治療が上手く行った事例をプライバシーが守れる範囲で簡単に紹介していくことや、治療に関するトピックス、治療者が使いやすいツールや検査法、評価法など紹介していきたいと考えています。

2018-01-01から1年間の記事一覧

統合失調症の治療事例を紹介します。 30代男性の事例 

統合失調症の治療事例を紹介します。 倫理的配慮のため、個人情報がわからないように内容は少し変更しています。 これを見て実際に統合失調症に悩んでいる方の参考になれば幸いです。 〇ケースの基本的情報 30歳代前半・男性 診断名:統合失調症 大学2年時に…

統合失調症の行動特性

統合失調症の行動特性を紹介します。 昼田源四郎さんの著を主に参考にして臨床で感じたことを書き足していきます。 1.一時にたくさんの課題に直面すると、混乱してしまう 「統合失調症者は、まずどれをしなければならないのか、どれは後からでいいのかといっ…

認知症のリハビリについて 

アルツハイマー型認知症で見られる記憶障害は、一般的に脳内のコリン作動性神経細胞脱落に伴うアセチルコリンの減少によって生じると説明されています。 アルツハイマー型認知症はアセチルコリンの分解酵素が働いており、伝達がうまくいかない状態です。 ド…

作業療法を行うにあたって 実際に精神科でインテーク前に使うツールを紹介します

作業療法を行うにあたって 病気によって出来なくなったことを書き出してみよう 例)・人としゃべるのが苦手になった。 ・朝起きるのが苦手になった。活動するのがおっくうになってなかなかできなくなった。 ・細かい動作が苦手になった。頭が働かない・物覚…

より治療効果の高い作業活動にむけて

仮説1 国、それぞれの地域などで一般的に注目度、興味・関心の高い作業活動を実施する方が、より高い治療効果が得られるのではないか? 作業活動の例 野球、サッカー、バスケ、卓球、ビリヤード、お菓子作り、調理 理由 人気の高いもの、注目度の高い活動ほ…

認知行動療法の必要性

認知行動療法とは 問題となっている特定の行動を標的とし、その行動の変化を確実に起こすことを目標とする。認知行動療法では、単に行動だけを対象とするのではなく、認知を変えることを重視する治療法です。 認知行動療法の必要性。 問題となっている行動を…

精神分析について

精神分析について ・自我 新生児はエスのかたまりで自我は発達するもの 新生児が現実社会と相互交渉を始めると、周囲から抑制や干渉を受け、その過程を通してエスから分化して発達してくる。 →自我は、現実社会の要請に従い、エスの欲求や衝動の即時的満足を…

作業療法処方から評価までの実践 精神科で働く上で必要な評価項目・視点について  

精神科で臨床を行う上で患者さんの情報で把握しておかなければいけない情報は沢山あります。 少しでも見落とすことで、気づけていない問題や再入院や再発に繋がることもあるので、臨床家は手を抜いてはいけないところだと思っています。 簡単に評価すべき点…

作業療法面接法 1.インテーク面接 2.日常のコミュニケーションから聞いておきたい内容 3.作業面接 4.対象者理解(評価)の留意点                  疾患別面接法 1.統合失調症の初期面接 2.うつ病の初期面接  3.強迫性障害の初期面接  4.適応障害の初期面接 5.パーソナリティ障害の初期面接 6.認知症の初期面接

精神科で働く上で最も重要な技術の一つには面接があげられます。 面接で重要になることをインテーク面接から疾患別の面接までまとめていきたいと思います。 作業療法面接法 1.インテーク面接 面接内容 (1)主治医や看護婦から作業療法の必要性についてど…

古典的条件付けの作業活動 OT(作業療法)での応用

古典的条件付けとは 生まれながら持っている生理的反応を別の刺激で生じさせること。 例)パブロフの犬 もう少しわかりやすく 生理的反応と別な刺激を同時に与え、繰り返すことで、脳がどっちにの刺激にも反応してしまう状態になる。 ・恐怖の条件付け ワト…

レクリエーションと精神疾患(精神障害、精神科)

精神科の作業療法士らしく、レクリエーションと精神障害に関してまとめてみました。 まず レクリエーションとは ①余暇に営まれる活動である。 ②楽しみとして行われる自発的活動である。 ③生活を営むうえで必須の活動を含まない。 ④その活動それ自体のために…

幼少期の子供のケンカに親が介入すると精神疾患が増えるかもしれない。

幼少期の体験が大人になったときにどれだけ影響を与えているか少しお話します。 幼少期には他人への共感力を身につける重要な時期だと考えています。なので、幼少期に色々な人と関わり、学び、違う価値観を持った人とケンカして理解してと重要な体験を通して…

はじめまして。精神科に10年務めている人のブログです。

するめです。 精神科病院に勤めて10年が経ちました。 公認心理師と精神科作業療法士の二足のわらじで日々万進する生活を送っています。 精神疾患に対する治療は日本はまだまだ進んでおらず、治療が上手く進まず悩んでいる人や、上手く治療できず悩んでいる治…