公認心理師試験の解答と解説 公認心理師 臨床心理士 精神科作業療法士など 精神科で働く人に役立つ情報を発信します

公認心理師と作業療法士の2足のわらじで働いています。私が体験した治療が上手く行った事例をプライバシーが守れる範囲で簡単に紹介していくことや、治療に関するトピックス、治療者が使いやすいツールや検査法、評価法など紹介していきたいと考えています。

MMSE(ミニメンタルステート検査)の検査用紙 認知症のスクリーニングテスト

 

 MMSEの検査用紙です

 

MMSEは、11つの検査から構成されています。

 

時間の見当識

場所の見当識

即時想起

注意と計算能力

遅延再生(短期記憶)

言語的能力

図形的能力(空間認知)といった7つの認知機能を評価するために重要な要素が含まれています。

 

 

【MMSEの評価項目】  

(1)時間の見当識障害
 ・今日は何日ですか
 ・今年は何年ですか
 ・今の季節は何ですか
 ・今日は何曜日ですか
 ・今日は何月ですか

 

(2)場所の見当識
 ・ここはどこですか(施設や建物の名前など)
 ・ここは何県ですか
 ・ここは何市(町・村・区など)ですか
 ・ここは何階ですか
 ・ここは何地方ですか

 

(3)即時想起(記銘)
 ・私がこれから言う言葉を繰り返し言ってください「桜、猫、電車」
 ・今の言葉は、後で聞くので覚えておいてください

 

(4)注意と計算能力
  ・100から順に7をくり返し引いてください

 

(5)遅延再生(短期記憶)
 ・さっき私が言った言葉は何でしたか

 

(6)呼称
 ・時計(又は鍵)を見せながら「これは何ですか」
 ・鉛筆を見せながら「これは何ですか」

 

(7)読字・復唱
 ・今から私が言う文章をくり返して言ってください「みんなで、力を合わせて綱を引きます」

 

(8)言語理解
 ・右手にこの紙を持ってください
 ・それを半分に折りたたんでください
 ・それを私に渡してください」

 

(9)文章理解
 ・この文を読んで、この通りにしてください「目を閉じてください」

 

(10)文章構成
 ・何か文章を書いてください

 

(11) 図形的能力(空間認知)
 ・この図形を正確にそのまま書き写してください(重なり合う五角形)

 

 

 

 

 

【MMSEの採点のポイント】

 

4)注意と計算能力

 

計算を間違えたり、答えがでてこないような場合は打ち切ります。

 

 

 

 

 

(8)言語理解

 

回答者が混乱し、紙を折ることができなければそこで打ち切ります。

 

 

 

 

 

(9)文章理解

 

音読でも黙読でもどちらでもよく、目を閉じていれば正答になります。

 

 

 

 

 

(10)文章構成

 

理解が難しい検査項目ですが、例題を出すことはできません。

いかなる内容でも接続詞があり、文章になっていれば正答になります。

 

 

 

 

 

(11) 図形的能力(空間認知)

 

大きさや奇麗さは問わず、五角形の角がそれぞれ5つあり、2つの五角形が交差していれば正答となります。

 

 

 

 

 

【MMSEのカットオフ】

 

 

23点以下で認知機能の障害が疑われる(カットオフ値)