公認心理師試験の解答と解説 公認心理師 臨床心理士 精神科作業療法士など 精神科で働く人に役立つ情報を発信します

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公認心理師試験 過去問 2019 問1 試験問題 解答と解説 ~国家試験合格に向けての勉強と試験対策~

公認心理師試験 2019

 

問1

 

公認心理師の業務や資格について、正しいものを1つ選べ。

① 診断は公認心理師の業務に含まれる。

公認心理師資格は一定年数ごとに更新する必要がある。

公認心理師の資質向上の責務について、罰則が規定されている。

公認心理師が業務を行う対象は、心理に関する支援を要する人に限定されない。

公認心理師以外でも、心理関連の専門資格を有していれば「心理師」という名称を用いることができる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

解答と解説

 

 

正答は④です

 

 

解説

 

① 診断は公認心理師の業務に含まれる。 ×

 

診断は医師のみが行える「医業」となります。

医師の資格は「業務独占」資格であり、医師以外が診断を行うと法律違反になります

「三年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを科料する(同法第31条第一項)」

 

 

 

 

 

公認心理師資格は一定年数ごとに更新する必要がある。 ×

 

国家資格は基本的に全て、一度取得すると剥奪されない限り、一生涯有効な資格です

 

臨床心理士は5年ごとに更新が必要なので、混合しないように注意が必要です。

 

 

 

 

 

公認心理師の資質向上の責務について、罰則が規定されている。 ×

  公認心理師法第43条「公認心理師は、国民の心の健康を取り巻く環境の変化による業務の内容の変化に適応するため、第二条各号に掲げる行為に関する知識及び技能の向上に努めなければならない」

と資質向上の責務が明記されています。

 

医師や看護師、作業療法士理学療法士などほとんどの国家資格に資質向上の責務はありますが、罰則を規定していることはありません

 

実際、なにを基準に怠っていると判断するのかが難しいと思います。

また、罰則があるとしたら国家資格を持ちながら、育児に専念することも難しかったりすると思います。

 

もちろん、研鑽なしに臨床をこなすのは難しいのが現状で、国家資格をもって業務を行う責任をもつことは重要だとは思います。

 

 

 

 

 

公認心理師が業務を行う対象は、心理に関する支援を要する人に限定されない。 ○

 

公認心理師法第1条および第2条に ">第1条:この法律は、公認心理師の資格を定めて、その業務の適正を図り、もって国民の心の健康の保持増進に寄与することを目的">第2条:この法律において「公認心理師」とは、第二十八条の登録を受け、公認心理師の名称を用いて、保健医療、福祉、教育その他の分野において、心理学に関する専門的知識及び技術をもって、次に掲げる行為を行うことを業とする者をいう。

①心理に関する支援を要する者の心理状態を観察し、その結果を分析すること。

②心理に関する支援を要する者に対し、その心理に関する相談に応じ、助言、指導その他の援助を行うこと。

③心理に関する支援を要する者の関係者に対し、その相談に応じ、助言、指導その他の援助を行うこと。

④心の健康に関する知識の普及を図るための教育及び情報の提供を行うこと。

 

と明記されています。

 

心理に関する支援を要する人以外に支援する対象としては、「心理に関する支援を要する者の関係者」がまず挙げられます。

 

臨床では、援助を要する人の家族や学校の職員、職場の上司など、様々な人に相談、助言、指導を行い、支援を要する人の周囲の環境を整えることもあるでしょう。

 

「心の健康に関する知識の普及を図るための教育及び情報の提供を行うこと」に関してはメンタルヘルスの知識や予防を含め、対象はすべての国民なるでしょう。

 

 

 

 

 

公認心理師以外でも、心理関連の専門資格を有していれば「心理師」という名称を用いることができる。 ×

 

公認心理師は「名称独占」資格になるので、公認心理師のみが行える業務はありませんが、公認心理師の資格を持っていない人が公認心理師を名乗ることはできません。

 

しかし、臨床心理士など心理士と付く他の資格も多く、区別がわかりづらいとの声もあり

 

語尾に「師」という漢字を用いて心理師と名乗ることは公認心理師のみで、それ以外の心理士資格の方は、語尾に「士」を付けることが義務付けられています。