公認心理師試験 過去問 2019 問24 試験問題 解答と解説 ~国家試験合格に向けての勉強と試験対策~
公認心理師試験 2019 問24
2017 年に文部科学省が実施した「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」における暴力行為に当てはまるものとして、適切なものを1つ選べ。
① 中学生が親を殴った。
② 学区内の公園で、中学生が故意に遊具を壊した。
③ 高校生が後輩の中学生に対し、金品を持ってくるように命令した。
④ 小学生がバットの素振りをしていたところ、通りかかった教師に当たった。
⑤ 中学校内で、同じクラスの生徒同士が殴り合いになったが、双方に怪我はなかった。
解答と解説
正答は⑤です
①中学生が親を殴った。 ×
2017 年に文部科学省が実施した「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」で指す暴力行為は以下の通りです。
「暴力行為」とは「自校の児童生徒が、故意に有形力(目に見える物理的な力)を加える行為」をいい、被暴力行為の対象によって、「対教師暴力」(教師に限らず、用務員等の学校職員も含む)、「生徒間暴力」(何らかの人間関係がある児童生徒同士に限る)、「対人暴力」(対教師暴力、生徒間暴力の対象者を除く)、学校の施設・設備等の「器物損壊」の四形態に分ける。ただし、家族・同居人に対する暴力行為は、調査対象外とする。
一見暴力行為に思えますが、児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査では、家族・同居人に対する暴力行為は、調査対象外としているので誤答となります。
PARS-TRは広汎性発達障害日本自閉症協会評定尺度と呼ばれています。
自閉スペクトラム症(ASD)の発達・行動症状について母親(もしくは他の主養育者)に面接し、その存否と程度を評定する57項目からなる検査です。
そもそも知能検査ではないので、問題文と異なるので誤答となります。
②学区内の公園で、中学生が故意に遊具を壊した。 ×
①で記述した暴力行為の説明には、学校の施設・設備等の「器物損壊」という文言があります。
公園の遊具は学校の施設・設備等の「器物損壊」には該当しないので誤答とします。
③高校生が後輩の中学生に対し、金品を持ってくるように命令した。 ×
今回の問題の調査では暴力行為を「自校の児童生徒が、故意に有形力(目に見える物理的な力)を加える行為」と定義しています。
金品を持ってくるように命令したことは暴力行為には当てはまらないので誤答としています。
④小学生がバットの素振りをしていたところ、通りかかった教師に当たった。 ×
今回の問題の調査では暴力行為を「自校の児童生徒が、故意に有形力(目に見える物理的な力)を加える行為」と定義しています。
小学生がバットの素振りをしていたところ、通りかかった教師に当たったということは故意ではなかったといえますので誤答となります。
⑤学校内で、同じクラスの生徒同士が殴り合いになったが、双方に怪我はなかった。 ○
今回の調査では「当該暴力行為によって怪我があるかないかといったことや、怪我による病院の診断書、被害者による警察への被害届の有無などにかかわらず、暴力行為に該当するものを全て対象とすることとしている」とされています。
双方に怪我はなかったとありますが、今回の調査では暴力行為に該当するので正答となります。