公認心理師試験 過去問 2019 問3 試験問題 解答と解説 ~国家試験合格に向けての勉強と試験対策~
公認心理師試験 2019
問3
20世紀前半の心理学の3大潮流とは、ゲシュタルト心理学、行動主義ともう1つは何か、正しいものを1つ選べ。
① 性格心理学
② 精神分析学
③ 認知心理学
④ 発達心理学
⑤ 人間性心理学
解答と解説
正答は②です
性格心理学 ×
性格研究の諸理論について,オルポートAllport,G.W.は『パーソナリティ――心理学的解釈』(1937)において,広く多くの研究者の業績を引用しながら,パーソナリティの異なる49の定義を挙げ,それらの長所を吸収する自らの立場を折衷主義eclecticismと称しています。
オルポートを始め、クレッチマーの体格と性格、ユングの外向・内向、シュプランガーの価値感、オルポートの個人特性と共通特性、アイゼンクの4層構造、ゴールドバーグ,L.R.のビッグファイブ、Cattell, R.B. (キャッテル)の共通特性と独自特性など
19世紀前半から後半にかけて、「特性論」と「類型論」の性格心理学が発展していきます。
特性論とは、個人の一貫した行動傾向を「特性」と呼び、いくつかの特性が組み合わさって人間の性格は作り上げられるという考え方です。
類型論とは、多様に存在する性格を、いくつかのタイプに分類し、個人の全体像として捉えようとする考え方です。
オルポートAllport,G.W.は、人それぞれで比較のできない、個人が独自に持つ特性を「個人特性」、同一文化の中で共通性が認められ、その量を相互比較できるものを「共通特性」と定義しました。
また、個人特性と共通特性をプロフィールというグラフで描く、サイコグラフを提唱しました。
キャッテルは、
「個人特性」と「共通特性」に基づき、外から観察される「表面特性」だけでなく、その背後にある「根源特性」を因子分析により探ろうとしました。この根源特性を基に、「16PF」という性格検査が作成されています。
1980年代以降、人間に最も普遍的で重要と思われる特性を特定していこうという動向が強くなっていきます。
こうした流れの中、ゴールドバーグがこれまでのパーソナリティ理論をまとめ、ビッグファイブが誕生します。
19世紀から20世紀の長期に渡り、は性格・人格論は発展していき、注目せれていますが、20世紀前半の心理学の3大潮流には該当しません。
精神分析学 ○
精神分析学の創始者として知られる、ジークムント・フロイトは1856年に生まれ、1939年に生涯を終えます。
19世紀後半にヒステリーを初めとする神経症の治療を始めて、20世紀前半まで発展していきます。
20世紀後半になると、クロルプロマジンの発見により抗精神病薬が発展していきます。
認知心理学 ×
認知心理学は1950年代後半に成立したと言われており、心理学の分野の中では比較的新しい分野とされています。
発達心理学 ×
ハヴィガーストやエリクソン、ピアジェなど19世紀前半に発達段階の発展を遂げますが、3大潮流には「ヴントへの批判をもって発展した」という共通項が発達心理学にはありません。
人間性心理学 ×
人間性心理学の提唱者であるマズローは、精神分析を第一勢力、行動主義を第二勢力、人間性心理学を第3勢力と位置づけました。