公認心理師試験の解答と解説 公認心理師 臨床心理士 精神科作業療法士など 精神科で働く人に役立つ情報を発信します

公認心理師と作業療法士の2足のわらじで働いています。私が体験した治療が上手く行った事例をプライバシーが守れる範囲で簡単に紹介していくことや、治療に関するトピックス、治療者が使いやすいツールや検査法、評価法など紹介していきたいと考えています。

公認心理師試験 過去問 2019 問27 試験問題 解答と解説 ~国家試験合格に向けての勉強と試験対策~

公認心理師試験 2019

問27

 

形成的評価について、最も適切なものを1つ選べ。

① 一定の教育活動が終了した際に、その効果を把握し判断するために行う評価

② 個人の学力に関する特定の側面をそれ以外の側面と比較して把握し判断するために行う評価

③ 過去と現在の成績を比較して、どの程度学力が形成されたかについて把握し判断するために行う評価

④ 指導前に、学習の前提となるレディネスが形成されているかを把握し、指導計画に活用するために行う評価

⑤ 指導の過程で学習の進捗状況や成果を把握し判断して、その情報をその後の指導計画に活用するために行う評価

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

解答と解説

 

正答は⑤です

 

 

①一定の教育活動が終了した際に、その効果を把握し判断するために行う評価 〇

 

形成的評価とは、さまざまな教育活動の途上で、その活動が所期の目的を達成しつつあるかどうか、どのような点で活動計画の修正が必要であるかを知るために行われる評価活動を指す教育学の用語です。

 

アメリカのB.S.ブルームがマスタリー・ラーニングの理論との関連で提唱しました。

 

従来の評価は、指導学習の修了後に、個々の児童、生徒の習得の度合いを把握するものでしたが、形成的評価は教育活動の目標、内容、方法の適否を知るためのもとなっています。

 

そのため、評価の前提として、これらの諸要素をよく分析し、明確化、構造化しておくことが必要です。

 

言語教育において評価というと以下の3つに分けて考えることが多いです。

 

〇診断的評価:学習開始前に現時点でのレベルの確認、次に必要とされる単元の習得に必要な力が備わっているかを見る。

 

〇形成的評価:学習活動と並行して行われるもので、授業内容の理解度を確認したり、それをフィードバックすることで学習の達成水準を上げるための評価。

 

〇総括的評価:学習が終わった段階で、学習目標がどれだけ達成できたか見る。

 

 

一定の教育活動が終了した際に、その効果を把握し判断するために行う評価は、形成的評価ではなく、総括的なので誤答となります。

 

 

 

 

 

②個人の学力に関する特定の側面をそれ以外の側面と比較して把握し判断するために行う評価 ×

 

 

個人の学力に関する特定の側面をそれ以外の側面と比較して把握し判断するために行う評価は、現時点でのレベルの確認が意味合いとして読み取れるので、診断的評価と考えられます。よって誤答とします。

 

 

 

 

 

 

③過去と現在の成績を比較して、どの程度学力が形成されたかについて把握し判断するために行う評価 ×

 

 

学習が終わった段階で、学習目標がどれだけ達成できたか見ているので、総括的評価といえますので誤答とします。

 

 

 

 

 

④指導前に、学習の前提となるレディネスが形成されているかを把握し、指導計画に活用するために行う評価

 

レディネスとは学習できる能力や機能的(計算するのに必要なワーキングメモリ、理解するのに必要な構成能力や空間認知など)な意味での準備が出来きている状態を意味する言葉です。

 

 

学習開始前に現時点でのレベルの確認、次に必要とされる単元の習得に必要な力が備わっているかを見ているので診断的評価といえますので誤答とします。

 

 

 

 

 

⑤指導の過程で学習の進捗状況や成果を把握し判断して、その情報をその後の指導計画に活用するために行う評価 ×

 

 

学習活動と並行して行われ、授業内容の理解度を確認し、それをフィードバックすることで学習の達成水準を上げるための評価となっており、形成的評価といえるので正答となります。