公認心理師試験 過去問 2019 問47 試験問題 解答と解説 ~国家試験合格に向けての勉強と試験対策~
公認心理師試験 2019
問47
アレキシサイミア傾向の高い心身症患者の特徴について、正しいものを1つ選べ。
① 身体症状より気分の変化を訴える。
② ストレスを自覚しにくいことが多い。
③ 身体症状を言葉で表現することが難しい。
④ 空想や象徴的な内容の夢を語ることが多い。
解答と解説
正答は②です
①身体症状より気分の変化を訴える。 ×
アレキシサイミア(失感情症)とは、アメリカの精神科医であるP.E.Sifneos(シフネオス)らにより1970年代に提唱された性格特性の概念であり、この言葉は、ギリシャ語のa (非)、lexis (言葉)、thymos (感情)を組み合わせたもので、「感情に言葉がない (no words for feeling)」という 意味を表す造語となっています。
アレキシサイミア(失感情症)とは、自分の状態を知ることの障害で、感情を認知、自覚したり、表現したりすることを苦手とし、想像力や空想力の欠如を示す特性です。
アレキシサイミア(失感情症)の特徴をまとめると
1.自分の感情がどのようなものであるか言葉で表したり、情動が喚起されたことによってもたらされる感情と身体の感覚とを区別したりすることが困難である。
2.感情を他人に言葉で示すことが困難である。
3.貧弱な空想力から証明されるように、想像力が制限されている。
4.(自己の内面よりも)刺激に結びついた外的な事実へ関心が向かう認知スタイル。
の4つにまとめられます。
アレキシサイミア(失感情症)の症状をまとめると
1.他者とのコミュニケーション苦手
2.気分が悪いと感じたら、無意識に考えないようする
3.嫌な気持ちになった場合、気分を解消する行動をとらずにはいられなくなる
4.本を読んでも登場人物の気持ちを感じることができない。
5.泣いているのに自分が泣いているという実感がない。
とまとめられます。
上記に「(自己の内面よりも)刺激に結びついた外的な事実へ関心が向かう認知スタイル。」と記述されている通り、身体症状が気分(内面)に結びつきづらく、の変化を訴える。
50 歳未満であれば対象となるは正しいとはいえないので誤答となります。
②ストレスを自覚しにくいことが多い。 〇
①に記述した、「1.自分の感情がどのようなものであるか言葉で表したり、情動が喚起されたことによってもたらされる感情と身体の感覚とを区別したりすることが困難である。」の通り、
感情と身体の感覚とを区別したりすることが困難さから、ストレスの自覚のしにくさに繋がってきます。
ストレスの自覚のしにくさはアレキシサイミア(失感情症)の特徴ともいえます。
アレキシサイミア傾向の高い心身症患者の特徴について、正しいので正答となります。
③身体症状を言葉で表現することが難しい。 ×
①に記述した、「1.自分の感情がどのようなものであるか言葉で表したり、情動が喚起されたことによってもたらされる感情と身体の感覚とを区別したりすることが困難である。」とあり、
自分の感情がどのようなものであるか言葉で表すことは苦手であったり、身体症状の感覚を知覚することは苦手ですが、身体症状を言葉で表現することに対する苦手ではありません。
アレキシサイミア傾向の高い心身症患者の特徴について、正しいとはいえないので誤答となります。
④空想や象徴的な内容の夢を語ることが多い。 ×
①に記述した、「3.貧弱な空想力から証明されるように、想像力が制限されている。」との特徴があり、空想や象徴的な内容の夢を語ることは苦手という特徴があります。
アレキシサイミア傾向の高い心身症患者の特徴について、正しいとはいえないので誤答となります。