公認心理師試験 過去問 2019 問9 試験問題 解答と解説 ~国家試験合格に向けての勉強と試験対策~
公認心理師試験 2019
問9
ある刺激に条件づけられた反応が他の刺激に対しても生じるようになることを何というか、正しいものを1つ選べ。
① 馴化
② 消去
③ 般化
④ シェイピング
⑤ オペラント水準
解答と解説
正答は③です
① 馴化 ×
馴化(じゅんか)は、一言でいうと慣れるということです。
刺激がくり返し出現することにより、その刺激に対する反応が少しずつ見られなくなっていく現象のことをいいます。
馴化の特徴として
①刺激が十分長い間与えられていないと、その刺激に対する反応は自然的に回復する。
②刺激の提示頻度が多くなればなるほど速く馴化する。
③刺激強度が強いほど馴化は遅くなる。
④似た刺激に対しても馴化は生じる。
となっております。最初はビックリしてドキドキするようなことでも、繰り返すと慣れていくということですね。
ある刺激に条件づけられた反応が他の刺激に対しても生じるようになることでは無いので誤答となります。
②消去 ×
消去とは、オペラント条件づけと古典的条件づけの両方で起こる事象で、条件付けによって強化されたオペラント行動が、もはや反応を返さなくなったとき、強化された行動は徐々に減少していくことが消去となります。
例として、いたずらをする子供が、反応が面白くていたずらをしていたとして、周囲が呆れて誰も反応しなくなり、いたずらしても面白くい状況になったとします。その後、その子供がいたずらをしなくなったら、その行動に対して消去が発生したことになります。
消去もある刺激に条件づけられた反応が他の刺激に対しても生じるようになることでは無いので誤答となります。
③般化 〇
般化とは、ある刺激に条件づけられた反応が他の刺激に対しても生じるようになることをいいます。
これは、ワトソンのアルバート坊やの実験が有名ですね。
〇実験内容
生後11カ月のアルバートが白ねずみを触ろうとした時、大きな音(恐怖を感じる音)を鳴らすことを続けると、最初は白ねずみを怖がっていなかったアルバートだったが、やがて白ねずみを怖がるようになった。
やがて、白ねずみだけではなく、白くふわふわしたもの全般を怖がるようになった。
上記の実験が般化の例となります。
ある刺激に条件づけられた反応が他の刺激に対しても生じるようになることを般化というので、正答となります。
分散分析が適用されるのは、従属変数が量的変数、独立変数が質的変数の場合となります。
量的な説明変数によって1つの質的な基準変数を予測するための解析方法とは、逆になりますので誤答となります。
④シェイピング ×
シェイピングとは、目的とする行動の変化(増加・減少)にたどり着くために、その方向で少しやりやすい変化をもたらす所から始め、徐々に目的に近づけて行くやり方です。
シェイピング法はと言われることが多いです。
シェイピング法はスモールステップで小さく始めるという考え方で、難しすぎない、達成可能で行動の強化になる行動から促していき、目標となる行動の獲得を目指すことです。させるためには、まずは小さく始めて徐々に強化していくという流れとなっています。
様々な心理療法の場面で用いられていると思われる基本的な考え方となります。
ある刺激に条件づけられた反応が他の刺激に対しても生じるようになることでは無いので誤答となります。
⑤オペラント水準 ×
オペラント条件付けでは意図せず偶然に起きた報酬が正の強化となったりするので、偶発的な頻度が存在します。
その過程を繰り返すなかで行動が変化し、自発的な行動が出てきます。
オペラント条件づけでは、自発的に生じた行動を「オペラント行動」といい、この頻度のことを「オペラント水準」と呼びます。
ある刺激に条件づけられた反応が他の刺激に対しても生じるようになることでは無いので誤答となります。