発達障害についての考察
近年では発達障害の存在に全く気付いておらず、精神的な不調を主訴に精神科に来院し、発達障害に気付くパターンが増えている。
・近年では発達障害の存在に全く気付いておらず、主訴も発達障害とは全く異なる状態で受診し、診察したい医師が背景にある発達障害に気付く機会が増えている。
たとえば、自閉症スペクトラム障害(ASD)の人がうつ病になると、うつ病の症状に自閉症スペクトラム障害の特性が反映されると、すべての活動に対する意欲低下するのではなく、きわめて意欲が低下する活動とそうでない活動とある状態になる。その場合、仕事に行く気力は完全になくなっていても、家で好きな事に没頭できるため、ただサボっているだけではないかと誤解される。
自閉症スペクトラム障害(ASD)や注意欠陥多動性障害(ADHD)の人が、なにもせずぼーっとすることがない。常になにかやっていないと落ち着かない。しかし、うつになると、医師になにもせずのんびり過ごすことを勧められても、何もせずのんびりしたことがないため、「どうすればなにもせずのんびりでいられるだろうか?」と思い詰めてしまい、かえってストレスを募らせてしまう。
このような場合、うつ病に元来の特性として、自閉症スペクトラム障害(ASD)や注意欠陥多動性障害(ADHD)があるとすれば、何もしないのではなく、本人が最もストレスを感じずに済む活動を淡々とやってもらう方が良い。
場合によっては、仕事を休むのではなく、本人が苦にならない作業だけは残して家でやってもらう方が、本人が楽に過ごせる場合もある。