公認心理師試験の解答と解説 公認心理師 臨床心理士 精神科作業療法士など 精神科で働く人に役立つ情報を発信します

公認心理師と作業療法士の2足のわらじで働いています。私が体験した治療が上手く行った事例をプライバシーが守れる範囲で簡単に紹介していくことや、治療に関するトピックス、治療者が使いやすいツールや検査法、評価法など紹介していきたいと考えています。

発達障害についての考察 

近年では発達障害の存在に全く気付いておらず、精神的な不調を主訴に精神科に来院し、発達障害に気付くパターンが増えている。

 

 

 

 

・近年では発達障害の存在に全く気付いておらず、主訴も発達障害とは全く異なる状態で受診し、診察したい医師が背景にある発達障害に気付く機会が増えている。

 

 

 

 

 

たとえば、自閉症スペクトラム障害ASD)の人がうつ病になると、うつ病の症状に自閉症スペクトラム障害の特性が反映されると、すべての活動に対する意欲低下するのではなく、きわめて意欲が低下する活動とそうでない活動とある状態になる。その場合、仕事に行く気力は完全になくなっていても、家で好きな事に没頭できるため、ただサボっているだけではないかと誤解される。

 

 

 

 

自閉症スペクトラム障害ASD)や注意欠陥多動性障害ADHD)の人が、なにもせずぼーっとすることがない。常になにかやっていないと落ち着かない。しかし、うつになると、医師になにもせずのんびり過ごすことを勧められても、何もせずのんびりしたことがないため、「どうすればなにもせずのんびりでいられるだろうか?」と思い詰めてしまい、かえってストレスを募らせてしまう。

 

 

 

 

 

このような場合、うつ病に元来の特性として、自閉症スペクトラム障害ASD)や注意欠陥多動性障害ADHD)があるとすれば、何もしないのではなく、本人が最もストレスを感じずに済む活動を淡々とやってもらう方が良い。

 

 

 

 

 

 場合によっては、仕事を休むのではなく、本人が苦にならない作業だけは残して家でやってもらう方が、本人が楽に過ごせる場合もある。