公認心理師試験 過去問 2019 問50 試験問題 解答と解説 ~国家試験合格に向けての勉強と試験対策~
公認心理師試験 2019
問50
公認心理師法について、正しいものを2つ選べ。
① 公認心理師の登録を一旦取り消されると、再度登録を受けることはできない。
② 公認心理師は、心理に関する支援を要する者から相談の求めがあった場合にはこれを拒んではならない。
③ 公認心理師は、その業務を行ったときは、遅滞なくその業務に関する事項を診療録に記載しなければならない。
④ 公認心理師は、心理に関する支援を要する者に当該支援に係る主治の医師があるときは、その指示を受けなければならない。
⑤ 公認心理師は、公認心理師法に規定する公認心理師が業として行う行為に関する知識及び技能の向上に努めなければならない。
解答と解説
正答は④と⑤です
①公認心理師の登録を一旦取り消されると、再度登録を受けることはできない。 ×
公認心理師法の第三条によると
第三条 次の各号のいずれかに該当する者は、公認心理師となることができない。
一 公認心理師法第3条第1号の文部科学省令・厚生労働省令で定める者は、精神の機能の障害により公認心理師の業務を適正に行うに当たって必要な認知、判断及び意思疎通を適切に行うことができない者とする。
二 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して二年を経過しない者
三 この法律の規定その他保健医療、福祉又は教育に関する法律の規定であって政令で定めるものにより、罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して二年を経過しない者
四 第三十二条第一項第二号又は第二項の規定により登録を取り消され、その取消しの日から起算して二年を経過しない者
とあります。
第三十二条第一項第二号又は第二項の規定により登録を取り消された後、2年経過することで再度登録できることになっています。
「公認心理師の登録を一旦取り消されると、再度登録を受けることはできない。」という選択肢は正しいといえないので誤答となります。
②公認心理師は、心理に関する支援を要する者から相談の求めがあった場合にはこれを拒んではならない。 ×
公認心理師法において、このような規定はありません。
心理に関する支援を要する者から相談の求めがあっても、断ることが適切な場合もありえます。以下に例をまとめます。
・命の危機があり、設備が整った医療機関、精神科医への紹介が適切な場合
・カウンセラーの能力を超えており、成果が出せない場合
・長期的な介入が困難な場合
・適切な業務量を保てない場合
などの場合は、心理に関する支援を要する者から相談の求めがあった場合でも断る方が正しいと思います。
医師法第19条には、「診療に従事する医師は、診察治療の求があつた場合には、正当な事由がなければ、これを拒んではならない」とあります。
公認心理師の国家試験は医師法との違いを問う問題が多いので、医師法と見比べることが国司対策になると思われます。
「公認心理師は、心理に関する支援を要する者から相談の求めがあった場合にはこれを拒んではならない。」という選択肢は正しいといえないので誤答となります。
③公認心理師は、その業務を行ったときは、遅滞なくその業務に関する事項を診療録に記載しなければならない。 ×
公認心理師法には記録に関する規定がありません。
医師法第24条第1項には「医師は、診療をしたときは、遅滞なく診療に関する事項を診療録に記載しなければならない。」と記載があります。
これは医師法との違い問う問題ではなく、単に公認心理師の記録に関する法律の整備は整っていないのではないかと考えます。
これから、公認心理師の診療報酬に関する部分が進むことで、整備されていくと思われるので、今後追記されるのではないかと予測できます。
「公認心理師は、その業務を行ったときは、遅滞なくその業務に関する事項を診療録に記載しなければならない。」という選択肢は正しいといえないので誤答となります。
④公認心理師は、心理に関する支援を要する者に当該支援に係る主治の医師があるときは、その指示を受けなければならない。 〇
公認心理師法第42条第2項によると「公認心理師は、その業務を行うに当たって心理に関する支援を要する者に当該支援に係る主治の医師があるときは、その指示を受けなければならない。」とあります。
「公認心理師は、心理に関する支援を要する者に当該支援に係る主治の医師があるときは、その指示を受けなければならない。」という選択肢は正しいといえるので正答となります。
⑤ 公認心理師は、公認心理師法に規定する公認心理師が業として行う行為に関する知識及び技能の向上に努めなければならない。 〇
公認心理師法第43条によると「公認心理師は、国民の心の健康を取り巻く環境の変化による業務の内容の変化に適応するため、第二条各号に掲げる行為に関する知識及び技能の向上に努めなければならない」とあります。
「公認心理師は、公認心理師法に規定する公認心理師が業として行う行為に関する知識及び技能の向上に努めなければならない。」という選択肢は正しいといえるので正答となります。